レンタルオフィスで事業融資は通る?
レンタルオフィスでも事業融資は通るのでしょうか?
本記事ではレンタルオフィスを契約して事業融資を受けるケースの融資の通りやすさや注意点を解説しています。
(読了時間:5~10分)
レンタルオフィスでも要件を満たせば事業融資は通る
事業融資の審査にはオフィスの住所を提示する必要がありますが、レンタルオフィスでも要件を満たせば事業融資は通ります。
要件とは「事業の専用スペースがあること」です。
事業の専用スペースがあることは、事業に本気で取り組んでいるかどうかを見極める判断材料になります。
事業の専用スペースがあるレンタルオフィスであれば、共同スペースの割合が賃貸オフィスより多いだけなので、レンタルオフィスの利用している事実が融資審査の結果を左右することはありません。
事業融資の過程で賃貸オフィスなら不動産の賃貸契約書などを提示する必要があるのと同じように、レンタルオフィスなら事業の専用スペースの占有期間がわかる契約内容の提示が求められます。
金融機関に求められた書類を提出し、融資の要件を満たし、事業計画がしっかり練られていればレンタルオフィスでも融資は通ると考えてよいでしょう。
一方、専用スペースのないフリーアドレス制のシェアオフィスやコワーキングスペース、住所貸しでオフィスとしての実体がないバーチャルオフィスの場合、融資の審査の過程で「信用が低い」と判定され、融資結果に影響する可能性があります。
法人は融資審査に登記簿謄本の提出が求められる
法人の場合、事業融資の申込時に登記簿謄本の提出が求められます。
つまり、レンタルオフィスを利用する企業法人は事業融資を申し込む前に、レンタルオフィスの住所を記載した法人登記をする必要があります。
レンタルオフィスによっては、オフィスの利用料とは別に、法人登記料の支払いが求められる傾向があります。
なお、個人事業主が法人成りしても融資審査の結果には影響しません。
事業融資の通りやすさを狙っての法人登記は費用がかさむだけなので、法人登記の必要性も含め、検討し直しましょう。
また、事業融資を検討する場合、申込先の金融機関にもよりますが、起業後2年までなら「創業」扱いで創業融資に申し込める傾向があります。
事業融資を前提にレンタルオフィスを選ぶときの注意点
事業融資を前提にレンタルオフィスを選ぶとき、注意すべきなのは「信用情報に影響する要素がないか」という点です。
レンタルオフィスの運営会社が信頼できるかを確認する必要があります。
違法な運営を行っている可能性もあります。そのため、契約前にレンタルオフィスの運営会社が法律を遵守しているか確認する必要があります。
「犯罪収益移転防止法」(犯罪による収益の移転防止に関する法律 | e-Gov法令検索)で、組織犯罪につながりかねない出所や帰属を隠しての収益の移転(マネーロンダリング)を防ぐため、宅地・建物の売買契約などの特定取引での本人確認の強化が義務付けられています。
つまり、レンタルオフィスやバーチャルオフィスの運営会社は、次の事項を確認する法的義務があります。
属性 | 確認すべき事項 |
---|---|
個人の場合 | ・本人特定事項(氏名・住居・生年月日) ・取引目的 ・職業 |
法人の場合 | ・本人特定事項(名称・本店 等所在地) ・取引目的 ・事業内容 ・実質的支配者 |
*参照先の情報を表として再構成
<参照先>犯罪収益移転防止法の概要について|国土交通省
https://chrome.google.com/webstore/detail/adobe-acrobat-pdf-edit-co/efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj?hl=ja
なお、事業者には、運転免許証や登記事項証明書等の公的証明書の原本を確認した本人特定事項の内容そのもの、取引時確認した措置内容について7年間、保存する義務もあります。
事業融資を前提にレンタルオフィスを利用する方は、契約前に運営会社の本人確認の内容と方針について事前に確認する必要があります。
また、運営会社の会社概要をチェックし、取引先や大手銀行と提携しているなど資本関係も確認しておきましょう。
まとめ
レンタルオフィスでも、事業の専用スペースがあり、融資の要件を満たせば事業融資は通ります。
ただし、レンタルオフィスの運営会社に問題がある場合、組織犯罪に関係する者と思われて融資審査に影響する可能性があります。
信頼できるレンタルオフィス運営会社を選びましょう。
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監修者情報
本記事は下記の監修者により監修された記事です。
田原広一
株式会社SoLabo 代表取締役/税理士有資格者 お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。問い合わせゼロのオウンドメディアをWEBマーケティングを駆使し、毎月1,000件以上の問い合わせが取れるまで成長させる。